滋賀県内自治体の共通オープンデータポータルサイトの公開
2022年4月19日、滋賀県の公式webサイトに「滋賀県・市町オープンデータポータル」を開設したと掲載がありました。
同ページには開設の背景として以下のように記載されていました。
これまで、県内の自治体では、それぞれ個別にオープンデータ化に取り組んでいましたが、基礎自治体単独で公表している当該地域内に限定されたオープンデータでは、民間企業等による利活用の幅が狭いことから、利用者が増えないことや、県域にかかる地域課題の解決につながりにくいことが課題となっていました。
そこで、県・市町共同のポータルサイトを設置し、利用者の利便性向上を図ります。滋賀県公式webサイト
このサイトは「公益財団法人 九州先端科学技術研究所」が提供する「BODIK ODCS」を利用しているようで、無料で提供を受けたものと掲載されています。
「BODIK ODCS」は弊社で「官民連携のオープンデータカタログサイト」として2018年に試験的に導入、構築させてもらったこともあり、よく存じているサービスです。当時、Dockerを扱ったことがなく、構築には苦労しました。
オープンデータの活用には官民の連携が欠かせないと考え、こうした構想のたたき台として構築しました。
当時、滋賀県地域情報化推進会議でも官民連携カタログサイトの必要性を訴えていたこともあり、そうした構想が滋賀県庁内でもあったようです。
2019年11月に滋賀県情報政策課の当時の課長さんが「官民データ活用基盤の構築に向けた取組について」と題して講演を行っています。
※官民データ活用基盤≠オープンデータカタログサイト
また、弊社からもカタログサイトの調査結果を滋賀県情報政策課に提出しました。
弊社2019年12月6日作成・提出のデータカタログサイト評価資料(抜粋)
今回構築されたカタログサイトは2014年~オープンデータについて議論してきた滋賀県地域情報化推進会議ではなく、行政の枠組み「スマート自治体滋賀モデル研究会」から出てきたもののようです。
なぜそうなったのかは存じませんが、少なくとも官民連携の枠組みである滋賀県地域情報化推進会議には共有されていないサイトのため、詳しいことはわかりません。
明確なことは「スマート自治体滋賀モデル研究会」は庁内手続きなどのデジタル化を推進する行政内部の枠組みですから、少なくともこのカタログサイトの位置づけは官民連携ではないと言えると思います。
※スマート自治体滋賀モデル研究会についての関連情報
滋賀県では、行政サービスの改革による住民の利便性向上と自治体組織の働き方改革に資する行政事務の効率化を推進するため、2019年度に県内の3市と共同で「スマート自治体滋賀モデル研究会」を設置し、ICTを活用した施策についての情報収集、意見交換、調査、取り組みの実証等に取り組んでいます。こちら「滋賀県」情報化本部:ぎょうせいオンライン
滋賀県と大津市、近江八幡市、草津市は2020年度からICT(情報通信技術)を活用した電子自治体の構築に乗り出す。住民手続きが簡単にできる共通ポータルサイトを立ち上げたり、県市の職員の給与や人事といった内部管理システムを統一したりする。三日月大造知事は「県民の利便性向上を実現させる『滋賀モデル』をつくり上げたい」と意気込んでいる。滋賀県と3市、スマート自治体へ ICTを共有化:日本経済新聞 2019年9月27日付
スマート自治体都道府県補完モデルに関する調査研究調査研究:一般財団法人 地方自治研究機構